平成29年度示範授業のご報告

 1月30日(木)午後2時25分より、葛飾区立水元中学校を会場に示範授業が行われました。示範授業は指導的立場にある教員の授業を参観し、また専門的な見識のある講師の先生からご指導いただくことで、「明日への授業改善」に生かしていくことを目的に「社会科指導向上研修会」として位置づけられているものです。当日は、葛飾区立中学校の社会科研究部にも共催いただき、65名の先生方と8名の教育関係者が参加しました。
 今回は葛飾区立水元中学校東野茂樹主幹教諭が、「地理的分野 第3章 日本の諸地域 3節 近畿地方」の単元で授業を行い、講師として、元全国中学校社会科教育研究会長で、現在は東京学芸大学の講師等としてご活躍の赤坂寅夫先生をお招きし、授業のご講評と次期学習指導要領を踏まえた地理的分野の指導についてご講演をいただきました。
 東野主幹教諭は、近畿地方の単元を6時間扱いとし、本時はその第6時で「近畿地方をよりよく発展させるために」と題した単元のまとめ的な授業でした。まずは導入部で和歌山県みなべ・田辺の梅システム(世界農業遺産)を例に挙げ、課題に対する意欲喚起を行いました。その上で近畿地方を4つの地域に分け、知識構成型ジグソー法を用いて、生徒にそれぞれの地域について特徴をとらえさせ、意見交換を通して近畿地方全体の特徴をまとめさせていきました。そして最後は、今までの歴史的経緯と持続可能な社会づくりの視点から、近畿地方についての自分の考えをまとめさせました。
 研究協議は、講師の赤坂先生が主導する、軽快でありながら意図的なQ&A方式で進んでいきました。特に今回の授業は次期学習指導要領の「日本の諸地域」における中核的考察の在り方についての提案として、また、通常の授業における指導の工夫という意味で大変意義深かったと価値付けをしていただきました。その上で次期学習指導要領が目指す地理的分野の指導のポイント、そしてこれからの社会科教育を担う若手教員への期待などについて、示唆に富む貴重なご講義をいただきました。

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