平成27年度巡検のご報告

 7月27日(月)午後1時より、「府中崖線と古墳群、大國魂神社を訪ねて」をテーマに、府中市内の巡検が開催されました。講師には、文京区立茗台中学校長の戸部範一先生をお迎えしました。
 スタートは、武蔵府中熊野神社古墳展示館から。7世紀中頃に作られた「熊野神社古墳」は、「上円下方墳」と呼ばれるもので、全国20万基あるとされる古墳の中でも4基しか確認されていない大変貴重なものです。係員の方の説明を聞きながら、石室や出土された金具等の見学をしました。
 そして、南部線西府駅近くの「西府湧水」まで歩き、武蔵野段丘と立川段丘の境にある「ハケ」と呼ばれる崖線の高さを実感しました。
 その後は、府中市内に点在する古墳群の見学です。6~7世紀に造られた「御獄塚古墳」「高倉塚古墳群」等住宅街の中で生き残っている円墳を多く見ることができました。最初に見た「熊野神社古墳」は、こうした円墳の時代を経て、国府として府中が発展していく時代に造られたものであることを改めて知ることができました。
 旧甲州街道を府中方面に向かっている間には、室町時代に鎌倉公方の庇護を受けた「高安寺」で「弁慶硯の井戸」、「新田義貞像」、江戸時代に法度などを掲示した「高札場」等も見学しました。
 そして、最後は、武蔵国総社である「大國魂神社」です。「資料館」の中を案内いただき、今も続く「くらやみ祭り」で使用している荘厳な山車等を直接見ることができました。そして、ゴールである「ふるさと府中歴史館」で説明を受け、解散しました。
 当日は、30度を超す暑さであり、3時間近く歩く大変気象条件の厳しい巡検ではありましたが、31名の参加がありました。古墳時代から、国府が置かれた奈良時代、そして鎌倉へ続く街道筋として、また甲州街道の宿場町として栄えた江戸時代、さらには、ベッドタウンとして発展を続ける府中の様子等を身近に感じることができ、地域教材づくりにも役だてることができました。参加された会員の先生方、本当にお疲れ様でした。

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