平成29年度巡検のご報告

 昨年度は君津の製鉄所を見学しましたが、今年度も日本鉄鋼連盟のご厚意により、鹿島臨海工業地域にある製鉄所を訪れました。
7月25日(火)、参加教員11名とスタッフ3名、総勢14名からなる一行は、午前10時には新日鐵住金鹿島製鐵所に到着しました。まずコミュニティーホールに通され、製鉄所の概要や製鉄の仕組みについて講義を受けました。
 鹿島臨海工業地域と言えば、まずは掘込み港が頭に浮かび、砂地ということから不安定な印象がありますが、実は意外と地盤は安定しているそうです。工業地域の北側約3分の1にあるのが新日鐵住金鹿島製鐵所であり、その面積は約10万㎡で台東区や中央区の面積に匹敵します。しかし、そこで働く従業員は三千四百人程度とのこと、いかにオートメーション化が進んでいるかが分かります。
 講義後、我々は作業着やヘルメットに身を包み、いよいよ現場見学に向かいます。通されたのは、鋼片を熱して大きな圧力を加え、薄く長くのばすなどして様々な形の鋼材を作る熱延工場です。工場に入るなり、50度にもなるという暑さに驚きました。千度を超えるという真っ赤に焼けた鋼片が、機械を通るたびに長く引き延ばされ見学通路の横を通っていきます。工場を出たときには夏だというのに涼しく感じました。
 今回勉強になったのは、「製鐵所」の「所」の読み方です。こちらの会社では「じょ」ではなく「しょ」と読むそうです。配付された資料もそのようにふりがなが書いてありました。また、「鉄」は金を失うと書くので、あえて「鐵」を使っているということも伺いました。でも、何より印象に残ったのは、所員の方々が、自身の会社、技術、製品に誇りをもって仕事をしているということでした。
 帰りには近くの由緒ある鹿島神宮を訪れました。国宝の「直刀」などを見学し、この地は古くから鉄との関わりが深かったことを理解しました。こうした有意義な体験が授業に生かされることを期待しています。

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